読書記録: 『7つの習慣』
『7つの習慣』についてのまとめ。 土台となる前半についてまとめてみた。
- 作者: スティーブン・R.コヴィー,Stephen R. Covey,ジェームス・J.スキナー,川西茂
- 出版社/メーカー: キングベアー出版
- 発売日: 2011/06
- メディア: 単行本
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第一部パラダイムと原則について
- 「7つの習慣」を本当の意味で理解するには、自分の持つパラダイムを理解し、それを転換させる方法を知る必要がある。
- インサイド・アウト
- 私的成功は公的成功に先立つ
- ほかの人との関係を改善しようとするのであれば、まず自分自身の基本的なパラダイム・人格・動機などを変えることから始めるべき
- 人生の扉を開く7つの習慣
- 人格は繰り返す行動の総計
- 習慣の3つの要素
- 習慣は、知識とスキルとやる気の3つから成り立っている
- 知識: 「何をするか」または「なぜそれをするか」に答える
- スキル: 「どうやってするか」に答える
- やる気(動機): 「それをしたい」という気持ち
- 習慣にするためにはこの3つの側面をすべて育成しなければならない
- この成長と変化のプロセスは、上向きの螺旋状の循環
- このプロセスこそが、我々の存在目的である幸福をつくり出す
- 幸福とは、最終的に欲しい結果を手に入れるために、今すぐ欲しい結果を犠牲にすることによって得る果実にほかならない
- 習慣は、知識とスキルとやる気の3つから成り立っている
- 相互依存への道
- 7つの習慣を身につけることにより、に依存から自立へ、自立から相互依存へと成長する
- 第一、第二、第三の習慣は、自己克服と自制に関連した習慣=私的成功の習慣
- 第一、第二、第三の習慣が完璧にできるまで、第四、第五、第六の習慣に取り組めないというわけではない
- 7つの習慣を身につけることにより、に依存から自立へ、自立から相互依存へと成長する
- P/PCバランス
- 7つの習慣は、効果性の習慣
- 効果性は2つの側面のバランスにある=P/PCバランス
- 目標達成のP(Performance)と目標達成能力またはそれを可能にする資源のPC(Performance Capability)
- 短期と長期のバランスでもある
第二部私的成功
第一の習慣:主体性を発揮する
- 自己責任原則
- 問題は自分の外にあると考えるならば、その考えこそが問題である
- 反応性と主体性
- 反応性のモデル
- 決定論によると、人はある特定の刺激に対して特定の反応をするように条件づけられる
- 反応的な人間は、自分の人生に対する責任を放棄する人間
- 反応的な言葉が自己の行動を制約してしまう=心理学で言う「自己達成予言」
- 主体性のモデル
- 人間はほかの動物にはない自覚、想像力、良心、自由意志という独特の性質を持っている
- そのため、刺激に対して、自分の反応を選択する自由を持っている
- 主体的な人間は、率先力を発揮するだけでなく、自分の人生に対する責任をとる人間
- 率先力を発揮する人とそうでない人とでは、5000%以上の効果性の差が生まれる
- 反応性のモデル
- 人生における三つの中心的な価値
- 「経験」: 自分に何が起こるか
- 「創造」: 自分でつくり出すもの
- 「態度」: 末期の病気といった大きな困難に直面したときの反応の仕方に代表されるもの
- このうち、最も大切なのは「態度」
- 行動や態度を見つめれば、その人の反応性・主体性を知ることができる
- 困難な状況ではパラダイム転換が起こることが多い
- 影響の輪と関心の輪
- 主体性に対する自覚を高めるもう一つの方法
- 関心の輪
- 関心の輪を描くことで、自分が関心を持っている事柄と関心を持っていない事柄をふり分けることができる
- 「持つ」ことに集中
- 過去の失敗はすべて関心の輪に含まれる
- 間違いに対してどう反応するかで、その次の瞬間の質が決まる。そのため、すぐに間違いを認め、修正することが大切。
- 影響の輪
- 自分の関心事の中で自分が直接コントロールできる、あるいは大きく影響できるものを示すことができる
- 「なる」ことに集中
- 自分が時間やエネルギーの大部分を、この二つの輪のどちらに集中させているかを考えることにより、主体性の度合いをよく知ることができる
- 主体的な人は、努力と時間を影響の輪に集中させ、自らが影響できる事柄に働きかける
- 影響の輪の最も中心にあるものは約束をし、それを守る力
- 自分自身や人に対してする約束とそれに対する誠実さが、私たちの主体性の本質
- 三種類の問題
- 直接的にコントロールできる問題
- 習慣を変え、第一、第二、第三の習慣を身につけ、私的成功を達成することによって解決
- 間接的にコントロールできる問題
- 影響を及ぼす方法を変えることによって解決
- 第四、第五、第六の習慣の公的成功にかかわる
- 相手の行動を正すために、今までの非効果的な方法に頼らずに新たな影響を及ぼす方法を学ぶことができる
- 全くコントロールできない問題
- 自分の態度を変える必要がある
- 気に入らなくても変えられない状況に対して、笑顔をつくり、穏やかな気持でそれを受け入れる
- こうした問題にコントロールされる必要はない
- 「主よ、変えるべき変えられることを変える勇気を、変えられないことを受け入れる平和を、そしてその区別をつける知恵を与えたまえ」
- 直接的にコントロールできる問題
- 人格の強さをつくり上げるために
- 約束をし、それを守ること
- 目標を設定し、それを達成するために働くこと
- これにより、自制心と自分の人生に対する責任を引き受ける勇気と力が湧いてくる
第二の習慣:目的を持って始める
- 自己リーダーシップの原則
- 第二の習慣は、人生の最後の姿を描き、それを念頭において今日という一日を始めること
- このように自分の人生の目的を明確にすることにより、毎日の活動が人生全体の目的に対して、有意義な形で貢献できるものになる
- すべてのものは二度つくられる
- 目的を持って始めるという習慣は、「すべてのものは二度つくられる」という原則に基づいている
- 万物にはまず知的な第一の創造があり、それから物的な第二の創造がある
- この二つの創造という原則を理解し、知的創造を意識的に行うことにより、影響の輪の中で行動し、影響の輪を拡大させることができる
- リーダーシップとマネジメント
- リーダーシップは第一の創造、マネジメントは第二の創造
- マネジメントは手段に集中しており、どうすれば目標を達成できるかという質問に答えようとするもの
- リーダーシップは、望む結果を定義しており、何を達成したいのかという質問に答えようとするもの
- ドラッカー「マネジメントは物事を正しく行うことであり、リーダーシップは正しい事をすることである」
- 多くの人びとは、自分自身の価値観や人生の目的を明確にすることなく、能率的な自己管理や目標達成ばかり気にしている
- 個人的なミッション・ステートメント
- 目的を持って始める最も簡単で大きな効果をもたらす方法の一つは、ミッション・ステートメント(個人的な憲法、信条)を書くこと
- 個人的なミッション・ステートメントを書くには、自分の影響の輪の中心から始める必要がある
- 目的を持って始めることにより、自分の安定性・方向性・知恵・力を生み出すことができる
- 安定性: 自己価値、アイデンティティ、精神的な基礎、自尊心
- 方向性: 人生における方向の根源であり、生活の中の意志決定、判断、決断などの基準
- 知恵: 生活におけるバランスの感覚。原則に対する理解の度合い。判断力、洞察力、理解などが含まれる。
- 力: 行動する能力であり、目標を達成する力と効果性。選択や決断を実行に移すエネルギー
- ビクター・フランクル
- 「人生におけるミッションというものは、つくるものではなく発見するものである」
- 「すべての人は、人生における独自の仕事あるいはミッションを持っている」
- 「人は人生の意味は何であるかを問うべきではない。むしろ自分が人生に問われていると理解すべき。すべての人は人生に問われているのだ。」
- 原則中心の生活
- 原則中心の場合、ころころと変わる人や物に頼るようなほかの中心とは違い、安定性は原則の不変性に基づくものとなる
- 脳全体を活用する
- 私たちは自覚によって自分の思考過程を見つめる
- なぜなら、第二の習慣を可能にするのは、想像力と良心という性質であり、それは主に右脳にかかわるものだから
- 右脳を活用する二つの方法
- 視野を広げる
- 思わぬ出来事や災害によって大きなショックを受け、左脳の思考過程が麻痺し、右脳で考え始めることがある
- 心の枠をとりはらってみよう。細かく想像して、感情と心情を出しきってみよう
- イメージ化と自己宣言
- 自己リーダーシップは、日頃から自分の考え方と価値観を見つめ続けて、自分の実際の生活をその価値観と合致させていく継続的なプロセス
- 日常生活において、右脳の能力を発揮し、自分の深い価値観と実際の行動を合致させるために自己宣言を書くことができる
- 良い自己宣言は、「個人的」「積極的」「現在形」「イメージできるもの」「感情を表したもの」という要素が含まれている
- 視野を広げる
- 私たちは自覚によって自分の思考過程を見つめる
第三の習慣:重要事項を優先する
- 自己管理の原則
- 第三の習慣は、第二の創造、つまり物的創造を行うこと
- 第一の創造を正しく行わなければ、マネジメントは全く役に立たないが、自己リーダーシップを発揮し、第一の創造を正しく行えば、マネジメントが極めて重要になる
- 物的創造の質は、マネジメントの質によって決まる
- 作業の細分化、分析、順序付け、時間配分、具体的な手法を決めるといったマネジメントの活動は、主に左脳にかかわる
- 自由意志の力
- 人間は、自覚、想像力、良心、そして自由意志という四つの独特な性質を持っている
- 第三の習慣、つまり自己管理を可能にしてくれるのは、自由意志
- 自由意志とは、意志決定をし、その決定に沿って行動する力
- 自由意志の成長の度合いは、誠実さによってはかることができる
- 誠実さとは、自分の約束や決意を守る力であり、言行を一致させる力
- リーダーシップは重要事項とは何なのかを決めること、マネジメントは、それを優先して毎日、瞬間瞬間において実行すること
- 「成功者たちの共通点は、成功していない人たちの嫌がることを実行に移す習慣を身につけているということ」
- 「彼らにしてみても、必ずしも好きでそれを行なっているわけではないが、自らの嫌だという感情をその目的意識の強さに服従させているのだ」
- 「感情を目的意識に服従させる」には、高い率先力、主体性が必要
- 第二の習慣を身につけることによって得られる明確なミッション、方向性、価値観、「ノー」と言うことを可能にする大きな「イエス」も必要
- 生き方を変える第二の領域
- 時間の過ごし方は、四つの領域に大別することができる
- 活動を定義する二つの軸は、緊急度と重要度
- 緊急とは、「すぐに対応しなければならないように見えるもの」
- 重要度は、結果に関連している概念。ミッション、価値観、優先順位の高い目標の達成に結びついているもの
- ドラッカー「大きな成果を出す人は、問題に集中しているのではなく、機会に集中している」
- パレートの法則「80%の結果は20%の活動から生み出される」
- ノーと言える喜び
- 毎日、何回も、「イエス」または「ノー」を言わなければならない
- ためらうことなく「ノー」と言えるようになる秘訣は、自分の中でもっと強い、燃えるような「イエス」を持つこと
- 効果的な時間管理の本質は、以下の3つ
- 優先順位をつける
- その優先順位を中心に計画する
- 計画に基づき行動するように自分実身を律する
- 新しい時間管理のツール
- 第二領域時間管理のツールには、以下の6つの大切な特徴がある
- 一貫性
- バランス
- 第二領域への集中
- 人間重視
- 柔軟性
- 携帯性
- 第二領域時間管理のツールには、以下の6つの大切な特徴がある
- 原則に忠実、スケジュールに柔軟
- 計画というプログラムを実行することは、短期的な目標やスケジュールに対する決意ではなく、私たちの人生そのものに意味を与える正しい原則と深い価値観に対する決意である
- 人に対しては効果性を考え、物に対しては能率を考えるべき
- デレゲーションによりPとPCの双方を高める
- 目標を達成する方法は二つだけ
- 時間を投入して自分で実行する : 能率を考える
- ほかの人に任せる=デレゲーション : 効果を考える
- 使い走りのデレゲーション
- 仕事の手段や手順を指定して管理をするため、結果の責任は委任者自身が負わなければならない
- 完全なデレゲーション
- 手段ではなく結果に焦点を合わせている
- 手段を選択する自由を与え、結果に責任をもたせる
- 当初は他の方法よりも時間がかかるが、のちに何倍もの利益を上げるための投資
- 完全なデレゲーションを行うためには、次の五つの事柄を明確に打ち出す必要がある
- 望む結果
- ガイドライン
- 使える資源
- 責任に対する報告
- 履行・不履行の結果
- 信頼は人間にとって究極の動機づけであり、人の最善の姿を引き出すもの
- デレゲーションが正しく行わなければ、双方が得をし、より多くの仕事がより少ない時間で達成できる
- 使い走りのデレゲーション
- 目標を達成する方法は二つだけ